インドネシアの農業の様子を知って

福井市内の篤農家に、インドネシアの農業の様子を聞く機会があって、画像も何点か見せてもらいました。その中で一番強く印象に残ったのは、木々がうっそうと生い茂る果樹園でした。果樹園の広さは10aくらいだったと思います。10aと言えば、日本の単位では1反です。1aで10m×10mの広さで、単純に、100m×10m。陸上競技場とか学校のグラウンドの100m走のトラックの倍くらいの面積でしょうか。そこに少なくとも11種類の果樹があるそうです。
それらはデタラメに植えてあるわけではありません。伝統という経験に裏打ちされた、巧みなデザインがそこにあります。果樹の背の高さや、樹の茂り方などをきちんと把握して、植えられています。で、収量はどうなのかというと、同一の作物を同じ面積で、管理しながら育てた場合と比べて半分位のようです。半分と聞くと、やってられないってなるでしょうか?そうでもありません、こうした果樹園では管理があまりいらないのです。例えば、いろんな果樹があると、いろんな虫がやってきます。それらの虫は果樹につくものだったり、果樹につく虫の天敵だったりして、自然のバランスがとれているのです。これって総合防除ですね。管理して最大の効果を狙うモノカルチャーの果樹園と比較し、最適なバランスのとれた果樹園ということができるでしょう。
最近は持続可能性とか言うことをよく耳にします。僕はこうした「最適なバランスのとれたもの」に持続可能性を感じます。そうして、そういうバランスの保たれた環境に、今の経済構造は全く合わないと感じます。
さて、こうした単純な直線や、曲線では表せない、巧みなデザインのある土地に牛をもっていくとどうなんでしょうか?実際に、牛は農耕の要としてまだまだ活躍しているようですが、最適なものを知っている人たちは、きっと最適な形で牛を取り入れることだろうと思います。1箇所で、異常な数の牛を飼おうなんて思わないはずです。今の経済の流れ、お金の価値基準でいくと、牛だけでやろうとすると、どうしても沢山買わないと割に合いません。日本は山だらけだから、牛を飼う土地が少ないとか、そうした理由はどうも後付けのような気がします。みんなが牛を食べられるように、適正な価格で牛を提供できるようにたくさん飼おう、というのも一見正しいのですが、日本で牛を飼うためのスタンダードな方法を見ると、破綻しています。バランスを失っているのです。
持続可能性は、バランスが保たれていることが第一です。これからも、より良い最適なデザインを考えていかねばならないなと思います。